2ちゃんねる電気・電子板より
- 942 名前:774ワット発電中さん[sage]:2011/06/18(土) 07:04:05.56 ID:63RfUwFR
- テスターについて質問させてください。
テスターの購入を考えています。
用途としてはマイコンの作成をするにあたっての電圧・電流・抵抗の値測定を主な目的として考えています。
もしかしたらPCパーツの測定、家庭用の家電の測定をするかもしれません。どの程度のテスターを買ったら良いかやどのメーカが一般的かという事が良くわからないこと、この程度の内容ならこのクラスで十分というような基準がわかりません。
初心者なのでもし安価な製品だと誤差が大きく、頭を余計に使わないといけないというのであればちょっと避けたいなあという気持ちも少しあります。ですので聞いたことのある三和か共立にしようかと考えているのですがどちらのメーカのほうが良いでしょうか。フラッグシップ機と思われる物が倍近くちがっていて共立のほうが良いのかそれとも新商品だから高いだけなのか判断が付きませんでした。
共立 DMM 1062(\55000) ただし一個下の1052は\28000
三和 DMM PC5000a(\25000)5万クラスを買うのはちょっと辛いので1万から2万5000くらいで考えています。
このスレを読んでみたかぎりだと1万以下でも問題なさそうな印象を受けましたがこの用途ならxxxx〜xxxxxあたりのテスタで十分というような目安も教えて頂けると助かります。 - 943 名前:774ワット発電中さん[sage]:2011/06/18(土) 07:13:20.89 ID:mgpMnczo
- >>942
機能と性能は千円のテスタで充分だとおもう。↓とか。ただ、AC100Vを触るのに安物テスタだと不安というなら、いいメーカを選ぶ必要があるかも。
マイコン工作をするなら、テスタはお金を節約しといて、オシロを買う方がいいんじゃない。
金属のインベントリを作成する方法
2万5000まで出す気があるのならテスタは数千円のにしておいて、オシロスコープを買った方が良いよ
ただ高いヤツ買って満足したいならフルークあたりを奨める・・・
でも「マイコンの作成」には良いテスタなんて本当に必要ないよ技術者でもPM-3あたりで済ませてる人が多いんだからかなり高精度なアナログ回路やってる人はベンチトップ必要になるけど、これはテスタの範疇を超える。デジタル回路やってる人もオシロ使う頻度多いし
私の考えは、基本的には>>943と同様で、テスターに関してはMASTECH MAS830Lあたりを選んでおいて、PDS5022あたりのデジタルオシロスコープを購入することを考えるべきだというものです。
以降では、あくまで感覚的なものですが、アマチュアマイコン工作でのテスタの利用に関する私的な感想を前述のレスでの私的に絡めて書いていきます。
直流電圧・導通チェックが9割
テスタを日本語に訳すと、回路試験器です。
従ってテスタの役割は、回路が壊れてるか壊れて無いかをチェックする事であると言えます。
回路が壊れているか否か、というのは、多くの場合、回路が繋がっているか繋がって無いか、ということです。
そんなわけで、テスタの機能のうち、一番良く使うのは導通チェッカ機能です。
古いアナログテスタなどでは、ブザーの鳴る導通チェッカ機能が付いていないものもあるので、そういった機種は避けます。
余談ですが、導通ブザー機能が付いていないアナログテスターが主要であった頃は、導通チェッカは自作電子回路ネタの定番であったようです。
土壌の安定化とは何か
導通チェッカの原理上の弱点として、電源が入っている状態の回路には使えないというものがあります。また、単純な断線・短絡ではなく、マイコンのプログラムミスや素子の劣化などによって回路が動作しない場合もあります。こういった場合は、各ポイントの電圧を測ることにより正常・異常の判断をします。
従って、二番目に良く使う機能は直流電圧測定です。
そして、このふたつの機能がテスタ使用のほとんどを占めると考えて差し支えありません。
LED駆動回路など、電流出力の回路の場合などでは、回路の動作チェックとして電圧を測るよりも電流を測る方が適切なこともあるでしょう。その場合は電流レンジが必要になりますが、使用頻度は低いです。
ただし、電流測定が必要になることが明らかな場合は、テスタの選択段階から意識すべきです。
テスタの電流レンジは、大雑把に言って『200mA程度まで測れるタイプ』と『10A程度まで測れるタイプ』の2種類が主流です。
交流電圧・交流電流・周波数
ここまでは、直流的な回路の動作を測定する場合の話でした。
次に回路の交流測定について。
交流と聞いて、コンセントなどの100V交流(強電)と、マイコン回路などの5-15V程度の信号の交流成分(弱電)のどちらを思い浮かべるでしょうか?
前者は、基本的に本エントリの対象外の話ですが、簡単に触れておきます。
高電圧を扱う場合のテスタの選び方は、安全が第一です。
安いテスタでも、スペック上は問題なくはかれるはずですし、私の周りでは特に問題が起きた例も無いのですが、不安なら日本のメーカーを選ぶほうがいいかもしれません。共立、三和、日置・・・
アマチュア用途で、ひとつぐらいは少し良いテスタを持ちたいということなら、三和のPC-500aあたりが良く薦められているようです。
さて、弱電の交流回路ですが、直流と同様に考えれば、交流電圧や交流電流、あるいは周波数を測ることにより正常・異常の判断が付くはずです。が、現実には波形を見ないとなんとも言えないというケースが多いです。
回路シミュレーションと実測の比較で扱っている2石弛張発振回路などは、波形が見たくなる回路の一例です。
鋼はどのように作られるのですか?
2石弛張発振回路は、Video.1のとおり発振回路で、LEDを接続すると点滅動作をさせることが出来ます。回路図もfig.1に示した通り、さほど複雑でなく小さなブレッドボード上にでも組み上げることが出来ます。
しかしながら、その回路挙動は見た目ほどには単純ではなく、実際の波形もfig.2の通り複雑です。この回路の場合は、回路シミュレータの使いどころでシミュレーションしたとおり理想的な挙動が回路シミュレータから予想できていますが、アバランシェ・モード弛張発振器の様にシミュレーションできない回路の存在など、シミュレータも完全ではありません。
そうなると、オシロスコープの出番という事になります。私はPDS5022を使っています� �(参考:PDS5022タグの付いた記事)
この性能のオシロスコープとしては極めて安価で、重宝しています。
私の好みの問題かもしれませんが、やはり、ハンディタイプのもの、PC接続が前提になっているUSBオシロスコープは、イマイチ使い勝手がよくありません。
単独で動作する、そこそこの性能のオシロスコープとなると、安価なものであっても3万円程度します。
テスタに回す予算があるのなら、オシロスコープの購入を視野に入れたほうが良いというのはこのあたりの事情です。
高級品と廉価品の違い
感覚的に言えば、高級品と廉価品の違いは
- カタログスペックの違い
- カタログスペックに現れない性能の違い
という事になると思います。
まず、カタログに載っているスペックの違いに関して。
もちろん購入の前に検討はすべきですが、前述のテスタの中で良く使われる機能に関しては、普通は安価なテスタであっても必要充分な性能(精度・確度)を持っています。
回路の試験器としてではなく、部品の性能測定のための計測器と考えた場合でも、LTspiceモンテカルロ解析の定数分布 その2で行っているような、抵抗値の選別ぐらいなら充分こなせる性能があるでしょう。
さて、カタログスペック上の違いは、そのままカタログ上で比較すれば分かることなので、ユーザーとして本当に気になるのは、実際の品質はどの程度なのかということだと思います。
MASTECH MAS830LではなくMETEX P-10ですが、以前METEX P-10 電流レンジのばらつきの記事で実際の電流レンジの性能のばらつきがどの程度あるのかを測定しました。
その結果を引用したのがfig.4です。
横軸が測定電流で、縦軸が実際の電流値からのズレと考えます。
Red・Green・Yellowのそれぞれのシンボルで示してあるのが、実際に測定された理想値からのズレ、黒の実線で示されたのがカタログスペックから予想される誤差の最大値です。
当然ながらばらつきはありますが、カタログスペックは充分に満たしていることが分かります。つまり、安物だからといって酷い性能ということは無いという事です。
アナログテスタ vs デジタルテスタ
アナログテスタとデジタルテスタのどちらが初心者に向いているかという問題も、しばしば話題に上がることがあります。
常識的に考えればデジタルテスタのほうが有利でしょう。
入力インピーダンスも高いことですし。
アナログテスタの利点を声高に主張する人々も少なくありませんし、そういった人たちが、微妙な針の挙動から、デジタルテスタでは読み取れない情報を読み取ることが出来る能力を持っているのも事実かもしれません。
しかし、初心者には難しいでしょうし、本エントリの考え方から行けば、そういった状況のときは、オシロスコープを持ち出すべきだと思います。
コネクタがバナナプラグ
これは、完全に私の好みの問題なのですが、テストリードは取り外すことが出来て、そのコネクタにバナナプラグが使われているものが便利です。
針のテストリードでは、プロービングのために両手がふさがってしまうので、可変抵抗を調節しながらの電圧測定などには向きません。
コネクタがバナナ端子になっていれば、必要に応じてミノムシクリップやICクリップを使ったテストリードを自作して対応できます。
まとめ
エントリ全体が長くなったので、箇条書きでまとめます。
- テスタの利用は導通チェッカ・直流電圧レンジがほとんど
- 交流測定にはオシロスコープの購入も要検討
- 高価なテスタは『安心』を買うもの
- 安価なテスタでもカタログスペックは充分
- 安価なテスタでも実際の性能も充分
- アナログとデジタルならデジタル
- プローブの自作も考えて
参考文献/使用機器
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